自叙伝

自叙伝の書き方とは?プロが徹底解説します

「自分の人生を本にして残したい」「家族や次世代に伝えたい」

そんな思いから、自叙伝に挑戦する人は増えています。

しかし、いざ書こうとすると「どこから始めればいいのか」「何を書けばいいのか」と迷うことも多いでしょう。

この記事では、自叙伝の意味や自伝との違い、執筆の目的や準備の進め方、構成やストーリーテリングの工夫、資料の活用法、継続のための仕組み、完成後のチェック方法、そして参考になる事例までを詳しく解説します。

目次

自叙伝とは何か?

自叙伝と自伝との違い

自叙伝は、自分の人生を自らの視点で振り返り、出来事とともに感情や価値観を描き出す作品です。単なる出来事の羅列ではなく、その背景や意味づけまでを盛り込むことで、読者に自分の人柄や生き方を伝えます。

似た言葉である自伝は、事実を客観的かつ時系列に沿って整理する傾向が強く、歴史的正確性や実績の記録を重視します。一方の自叙伝は、感情描写や主観的視点を交えて、自分らしい語り口で物語性を高められる点が大きな特徴です。

目的によっても性質は異なり、家族や後世に記録を残す自己記録型、経験や教訓を広く共有する啓蒙型、そして経営者や専門家がブランド価値を高めるために執筆するブランディング型などがあります。

▶︎自叙伝についての詳しい記事はこちらをご参照ください

自叙伝を書く前に必要なこと

目的を明確にする

自叙伝は「なぜ書くのか」をはっきりさせてから始めることで、内容の軸がぶれにくくなります。

家族や子孫への記録として残す場合は、家系や生い立ち、家族とのエピソードを丁寧に描くことで世代を超えたつながりを築けます。業界や社会へのメッセージを込める場合は、専門分野での経験や学びを具体的に記録することで後進への参考となります。

また、自分自身の人生を振り返ることで価値観や強み・弱みを整理でき、自己理解を深める機会にもなります。さらに、経営者やクリエイターにとっては、信念や人柄を伝えることでブランド価値を高め、ビジネスや活動の新たな展開につなげることも可能です。

キーワードを考える

書き出す前の準備は、完成度と執筆のスピードに大きく影響します。まずは、自分の人生を象徴するテーマを一つ選びます。「挑戦」「再起」「家族愛」「学び」など、核となるキーワードを決めることでエピソード選びや語り口に一貫性が生まれます。

そのうえで、形式を選択します。出来事を時系列で整理する年表型は初心者にも扱いやすく、印象的な出来事を物語としてつなぐストーリー型は読み物としての魅力が増します。特定の分野に絞って深掘りするテーマ型も、専門性を出したい場合には有効です。

次に、生まれた年から現在までの主要な出来事を年表やタイムラインとしてまとめます。記憶があいまいな部分は家族や友人に確認し、空白期間がある場合はその理由も含めて記録しておくと後で構成しやすくなります。エピソードは感情が動いた瞬間や人生の方向を変えた出来事を中心に集め、写真や手紙、日記、新聞記事などの資料も並行して集めておきましょう。

読者を惹きつける構成の作り方

構成は読者が最後まで読み進めるための鍵です。冒頭は、読者の関心を一気に引く出来事や象徴的な瞬間から始めると効果的です。続く中盤では、背景や環境、人物関係を描き込み、小さな成功や失敗を積み重ねる描写でリアリティを出します。

クライマックスには、人生の大きな転機や重要な選択を据え、当時の心情や迷い、決断の理由までを丁寧に記します。そして結びでは、経験から得た教訓や価値観の変化をまとめ、これからの展望を簡潔に示すことで読後感を残します。

物語性を意識する

自叙伝を魅力的にするには、単なる時系列の羅列ではなく、物語性を意識することが欠かせません。導入から背景説明、転機、結末へと流れる起承転結の構成を持たせることで、読者の興味を途切れさせずに引き込みます。

また、視覚や聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感に訴える描写を盛り込むと、場面が立体的に伝わります。さらに、成功体験だけでなく、葛藤や失敗の場面を正直に描くことで、読者は自分の経験と重ね合わせやすくなります。そこから得た学びや乗り越え方を描けば、読者にとっても価値のある一節になります。

写真・資料の効果的に活用する

文章だけでは伝わりにくい臨場感や信頼性を補うのが写真や資料です。幼少期や学生時代の写真、転機となった出来事の現場写真などを適切に配置すると、読者の理解が深まります。

賞状や認定証、当時の手紙やメモ、新聞記事は、出来事の裏付けとして有効です。ただし、他人が写っている写真や著作権のある資料を使う場合は、事前に許可を得るか必要に応じて加工し、プライバシーや権利に配慮する必要があります。

執筆を続けるための工夫

時間を確保する

多くの人が途中で筆を止めてしまう原因は、モチベーションの低下と時間確保の難しさです。

これを防ぐためには、小さく達成できる目標を立てることが有効です。たとえば、1日500文字、1週間で1章など、無理のない計画にします。

また、集中できる時間と場所を確保し、執筆用のノートやアプリを決めておくとスムーズに進みます。毎日同じ時間に執筆する習慣をつけることも継続のコツです。

完成後の推敲・校正

書き終えたらすぐに公開せず、推敲と校正の時間を取りましょう。誤字脱字や表現の不自然さを修正し、同じ言葉の繰り返しや文章のねじれを整えます。事実関係も再確認し、日付や人名、場所の誤りを防ぎます。

さらに、第三者に読んでもらって感想や指摘をもらうと、自分では気づかなかった改善点が見つかります。必要に応じて専門の校正者に依頼するのも選択肢です。

成功事例に学ぶ

有名人の作品では、元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラが自らの半生を記した『

自由への長い道(Long Walk to Freedom)』が有名です。人種隔離政策への闘い、27年間の獄中生活、そして大統領就任までの道のりが本人の言葉で綴られています。また、マララ・ユスフザイが共著者クリスティーナ・ラムとともに執筆した『私はマララ(I Am Malala)』は、教育への信念と困難な環境への挑戦を描いた自叙伝的作品です。

一般の人が書いた自叙伝でも、戦後の物資不足の中で家族を支えた日々や、子育てをしながら工場や農作業で働き続けた経験など、多くの人が共感できる内容は高く評価されます。例えば「朝4時に起きて牛乳配達を終えた後、子どもを背負って畑仕事をした」といった具体的な場面描写は、時代を知らない世代にも臨場感を与えます。

こうした身近で感情移入しやすいテーマ、場面が目に浮かぶような描写、そして「努力は必ず報われる」といった時代を超えて通じる教訓があることが、読者の心をつかむポイントです。

まとめ

自叙伝は、自分の人生を振り返り、その価値を形として残す貴重な作業です。年表を作り、テーマを決め、エピソードを集め、少しずつ書き進めることが完成への近道です。完璧を求めすぎず、一歩ずつ進めれば、必ず自分らしい一冊が出来上がります。今日から、自分の物語を紡ぐ第一歩を踏み出してみましょう。

労働教育センターでは、こうした想いを本という形に仕上げる「自叙伝出版サポート」を行っています。企画・構成から執筆、校正、製本、出版まで一貫してサポートし、はじめての方でも安心して進められる環境を整えています。自分の人生を丁寧に記録したいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。