女も男も No.143 待ったなしの女性支援──女性支援新法で何が変わるのか(ON143)
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
B5判、96頁、並製
ISBN978-4-8450-0986-2
2024年4月、女性支援新法が施行された。なぜ今、女性支援が求められるのか。性差別、男女格差、性別役割分担……、背景には女性であるがゆえに困難を強いられる社会構造がある。また、SNSの普及に伴い「デジタル性暴力」の被害が若年女性に広がっている。誰にも相談できないで苦しむ人や、「被害」を「被害」と認識できない状況に置かれている若年女性に最適な支援を届けることはできるのか。性暴力被害の相談支援や居場所づくりなど女性支援の現場からのレポートを掲載。
PART 1 「困難な問題を抱える女性支援法」とは
実効性ある女性支援に向けて
戒能 民江(お茶の水女子大学名誉教授)
相談事業から見える若年女性の今
遠藤 智子(一般社団法人社会的包摂サポートセンター事務局長)
AV出演被害防止・救済法、性的姿態の撮影罪の施行によって何が変わったか
伊藤 和子(ヒューマンライツ・ナウ副理事長、弁護士)
【対談】
フェミニストカウンセリングの実績を持って女性支援新法に対応していく
河野 貴代美(元お茶の水女子大学教授)
加藤 伊都子(フェミニストカウンセリング学会代表理事)
PART 2 女性支援の現場から
デジタル性暴力・性的搾取をなくすために
──グルーミング・セクストーション加害実態と相談支援
金尻 カズナ(NPO法人ぱっぷす理事長)
つながりを取り戻すことが心身の回復につながる
──地方都市の女性支援の現場から
河野 和代(フェミニストカウンセラー)
行政の女性支援のとりくみ
──「官民一体」のモデルとして
吉田 徳史(国立市政策経営部市長室長)
自立支援の核は「暮らしづくり」
──困難を抱える女性たちを支えてきた「婦人保護施設」
横田 千代子(女性自立支援施設 施設長)
PART 3 求められる支援と連携
居場所づくりからネットワークづくりまで
──支援団体同士、団体と企業をつなぐ“応援団”として
佐藤 静江(一般社団法人若草プロジェクト理事)
なぜ「婦人相談員」の待遇は改善しないのか
──8割が非正規雇用という現実
小川 真理子(東京大学多様性包摂共創センター特任准教授)
危機的妊娠への相談支援と困難な問題を抱える女性への支援
白井 千晶(静岡大学人文社会科学部社会学科教授)
性被害の「語られない声」を聴く
──トラウマインフォームドケアの観点から
野坂 祐子(大阪大学大学院教授)
スマホやネットの仕組みを知っておこう
──被害者にも加害者にもならないために
島袋 コウ(スマートフォンアドバイザー)
メディアリテラシー教育実践
──ジェンダーギャップ指数のデータをどう読み取るか
猿渡 敦子(福岡県高等学校教職員組合)